風俗営業許可申請には管理者の選任が必要です

 キャバクラやホストクラブは一般的な飲食店とは違って、お客さんを接待するので風俗営業許可が必要になります。
 風俗営業許可の区分については以前に取り上げていますので見てみてくださいね。

 風俗営業許可申請については人的な要件、施設の要件など多数の確認事項がありますので、今回は人的要件に絞って取り上げていきます

①管理者とは

 風俗営業者は、営業所ごとに管理者を選任しなければなりません。管理者はその営業所に常駐する必要がありますので、複数の店舗がある場合は店舗の数だけ管理者が必要です。
 管理者については風営法24条に規定されていますので確認していきましょう。

だれが管理者になるの?

 店舗の業務を統括管理する者のうちから選任しなければなりません。
 管理者については店舗の運営者が自分で就任することができます。一般的には店長が就任することが多いようです。

 管理者に就任するうえで特別な資格等は必要ありませんが、欠格事由(就任できない人)の規定があるので気を付けてください。

管理者の欠格事由

 刑務所に収監されていたり、前に持っていた風俗営業の許可が取り消された人は、一定の期間が経過するまで管理者となることができません。

 この中で引っかかって来るのはであることが多いです。

1年以上の懲役・禁錮を宣告された場合は許可を受けられません。もし1年未満で出所したとしてもダメです。
 対象となる刑罰は規定されていないので、どのような罪で収監されたかは問われません。交通事故、傷害事件、風営法違反などなど全て対象です。

対象となる刑罰が細かく規定されています(風営法違反・労基法違反・入管法違反等)
 たとえば交通事故や傷害事件は対象とされていないので、欠格事由に該当しません。

②管理者の業務

 管理者は従業員等に対して、法令の規定を遵守してその業務を実施するための必要な助言、又は指導を行わなければなりません

 立ち入りが禁止されている未成年が入店してしまった場合は退店するよう勧告したり、お店に対して苦情が来た場合の対応も管理者の業務です。

 もちろん従業員は管理者の指導に従う必要があります。また公安委員会は管理者がその職務を行う上で不適切と認めたときは、営業者に対して管理者の解任を勧告することができます。

③管理者となるには

 管理者となるうえで国家資格などは必要ありません。ですが管理者は講習を受講する必要があります。他の許認可では「管理者講習を受けないと就任できない」というケースが多いのですが、風俗営業許可に関しては就任後の受講でも問題ありません

 管理者が従業員などに指導・助言するには適切な知識を持っていなくてはなりません。また法令などは改正されて内容が変わることもあるので、定期的に新しい知識にアップデートする必要があります。
 そのための制度として管理者には講習の受講が義務付けられています。

管理者講習とは

 公安委員会から委託を受けた風俗環境浄化協会が講習を行います。

 講習予定日の30日前までに、各店舗へ公安委員会から【管理者講習通知書】というハガキが送られてきます。管理者は原則受講が義務付けられているので、必ず参加しましょう。

講習を欠席できる?

 管理者講習については、やむを得ない正当な理由がある場合のみ、講習の10日前までに公安委員会に書類を提出して欠席することができます。
 欠席した場合は次の講習を受けるように案内が来ることになるので、全く受講しないということはできません。
 正当な理由なく欠席したと公安委員会が認めた場合は、行政処分の対象になることがありますので注意しましょう。

講習は定期的開催される

 管理者に選任されると、まずは初年度中に1回受講しなければなりません。それ以降は3年に1回の頻度で受講案内が来ます。

 運営者が管理者であれば「管理者がいない!」ということにはならないでしょうが、運営者以外が管理者として選任されていた場合は、退職や転勤に注意が必要です。管理者講習通知書が来てから、慌てて管理者の変更届を提出するような事態は避けましょう。

④まとめ

風俗営業を行う場合は管理者の選任が必要

管理者は従業員を指導、助言する役目を負う

管理者には欠格事由が定められている

管理者となるのに特別な資格は必要ない

管理者講習の受講が義務付けられている

 管理者講習は1時限あたり50分で、トータル6時限受けなければなりません。とはいえ1日で終わるものなので、必ず受講するようにしましょう。たった1日で終わる講習を欠席して行政処分を受けるのは割に合わない話ですね。

 風俗営業許可の申請には今回お話しした人の要件だけでなく、様々な要件があります。中でも用途地域保全対象施設の確認店舗施設の確認は細々した規制を受けるので大変です。
 また風営法だけでなく各都道府県の条例による規制もチェックが必要です。
 申請にあたっては警察、役所、専門家に相談して進めていくことをお勧めします。

 弊所では飲食店営業許可申請や風俗営業許可申請だけでなく、補助金申請サポートや会社設立も承っております。

 初回相談は無料となっておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。