飲食店営業許可の申請は用途地域に注意しよう!

 飲食店を営業するには営業許可を取得しなければなりません。

 営業許可を取るためにはいくつかの条件を満たしていなければなりません。
 要件は大きく分けると「人の要件」「物の要件」「お金の要件」の3つに分かれています。

 人の要件については以前に取り上げましたので、今回は物の要件にフォーカスしてみます。
 その中でもややこしい用途地域による制約についてお話ししていきましょう。

①飲食店は開店できるエリアが決まっている

 一般的な飲食店は、都市計画法上の用途地域によって、開店することができるかどうかの制約を受けることになります。

 用途地域の種類が多いうえに、各都道府県ごとにそれぞれ条例によって制限が設けられていることも多いので、開業予定地についてのエリア選択は慎重に行う必要があります。

飲食店営業の可否一覧

用途地域の確認方法

①役所の窓口で確認

 役所の都市計画課などで地図をもらうことができます。紙媒体で確認したい場合は役所に行って問い合わせましょう。

②インターネットで確認

 自治体によってはHP等で用途地域の地図を公開していることがあります。
 「〇〇市 用途地域」といった感じで検索してみましょう。

 例として、千葉市では千葉市地図情報システムが提供されているので、インターネット上で確認することが可能です。

②用途地域ごとの条件

条件が付されている地域

①第一種低層住居専用地域

 店舗兼住宅で、店舗床面積が50㎡以下かつ建物の延べ面積の2分の1未満のもののみ飲食店を出店、開業することができます。
 店舗兼住宅とされていますので、自宅の一部を飲食店とするようなモデルなら可能です。店舗と住宅が行き来できる構造でなければなりません。

②第二種低層住居専用地域

 第一種低層住居専用地域に比べて若干制限が緩和されたエリアです。
 店舗兼住宅については第一種低層住居専用地域と同じ制限が設けられています。
 喫茶店については2階以下で、かつ店舗等の床面積が150㎡以下のものであれば出店・開業することができます。

③第一種中高層住居専用地域

 低層住居専用地域に比べて大きく制限が緩和されたエリアです。
 店舗等が2階以下であり、かつ床面積が500㎡以下のものであれば飲食店を出店・開業することができます。

④第二種中高層住居専用地域

 2階以下であれば大型店舗も出店可能なエリアです。
 店舗等が2階以下であり、かつ床面積が1500㎡以下のものであれば飲食店を出店・開業することができます。

⑤田園住居地域

 このエリアはちょっと特殊な制限が課されています

その地域で生産された農産物を使っている⇒2階以下でかつ床面積500㎡までの店舗や飲食店を出店・開業できます。
その地域で生産された農産物を使っていない⇒2階以下でかつ床面積150㎡までの店舗や飲食店を出店・開業できます。

条件なしの地域

 第一・二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域についてはほとんど条件なしに出店・開業可能です。

営業禁止地域

 工業専用地域は飲食店の出店が禁止されています。

③条件付き地域の注意点

 条件が付されている地域としては、第一種低層住居専用地域の制限が最も厳しいものとなっています。

 住居兼店舗しか許可されていませんので、店舗専用の建物を建てることはできませんし、既存の建物であってもその全体を店舗とすることはできません。

 また床面積50㎡の制限は、キッチンやトイレなどの設備を全て含めたものですのでかなりの狭小店舗になります。
 将来的に店舗を拡張したい等の予定がある場合は、第一種低層住居専用地域での出店は回避した方が良いかもしれません。

④まとめ

飲食店を出店するときは用途地域を確認しよう

用途地域によっては店舗に制限がかかる

第一種低層住居専用地域はもっとも制限が厳しい

 まず最初に飲食店を出店する地域がどの用途地域に指定されているか確認しましょう。
 一部の用途地域については制限が課せられており、しかも個別に条件が異なります。

 出店するエリアは人通りや集客を第一に考えがちですが、用途地域を見落としているとせっかくの出店計画が躓いてしまうかも知れません。

 不安なことがあったら役所の窓口か、専門家に相談することをお勧めします。

 弊所では飲食店の営業許可申請だけでなく、風俗営業許可申請、会社設立、補助金申請などもサポートしております。
 初回相談は無料で承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。