古物営業許可を取得すると、リサイクルショップや古書店、中古車販売店を経営することができるようになります。
店舗に来店したお客様から古物を買い取って、店頭に並べて販売するスタイルをイメージしていただけたら分かりやすいかと思います。
ですが、せっかく古物営業許可を取得したなら古物市場へ参加しない手はありません。古物市場なら個人からの買い取りよりもずっと広範囲に、効率よく商品の仕入れが可能になります。また売れなかった在庫品を同業他社に売却する手段にもなるでしょう。
①古物市場とは
古物商の間で古物の売買、又は交換をするのが古物市場です。古物市場に参加するには古物営業許可が必要とされていますので、一般の人が参加することはできません。あくまで古物商免許を持ったプロ向けに開催されている市場です。
参加者の顔ぶれは様々で、リサイクルショップ、買取販売を行っているリユース業者、卸業者、商社のバイヤーなど多岐にわわります。
古物市場は毎週どこかしらで開催されていますが、一般人が参加できないためあまり知られていません。古物市場に参加して仕入れや出品を行うことは、免許取得者の特権と言えるでしょう。
②古物市場のメリット
◆市価に比べて安価に仕入れ可能
古物市場は古物商にとっての在庫調整という側面があります。そのため出品される古物は、市場以外での価格と比べるとだいぶ安くなります。また、店頭で来店客から買い取る場合では、来店客が少ない日は仕入れができないことになります。古物市場なら安定した仕入れを行うことができますので、リサイクルショップ経営などでは大きなメリットになりますね。
◆不良在庫を出品して処分できる
古物市場は主に仕入れの場として利用されがちですが、もちろん出品する側に回ることも可能です。値下げしたけれど売れなかった品は不良在庫として経営を圧迫してしまいます。そんな商品は古物市場で他社に買ってもらいましょう。自社では不要な品も、他社では必要とされているかもしれません。
◆同業他社との交流が進む
古物市場に出入りするのは古物営業許可を持った業者や個人です。せっかく古物市場に行くなら、同業他社の知り合いを増やしていきましょう。自分だけで収集することができる情報には限界がありますが、同業の知り合いが増えていけば自然と情報が集まってきます。相場の動きやトレンドなど、同業だからこそ知っている情報は貴重です。古物市場で仕入れられるのは品物だけではありません。
③古物市場の注意点
◆古物市場はオークションが一般的
古物市場では多くの場合オークションで取引されます。そのため、はじめのうちは相場観を養うためにも大きな取引をするのではなく、少額の取引からスタートするのがおすすめです。
なにしろ古物市場には目利きの上手いベテランも多くいます。そんな人たちがどんな商品を落札するのか、どの程度の価格が適正なのか、そういった感覚を掴んでから大きな取引を行うと良いでしょう。
◆参加するには入会金などが必要
古物市場へ参加するには、事前に入会や登録が必要な場合がほとんどです。入会費、年会費、参加費などを支払うことになりますが、その価格は古物市場ごとに異なります。市場によっては入会金や年会費が無料の場合もありますので、はじめのうちは安く参加できる市場に行って経験を積みましょう。
④オークションの方法は主に3つ
◆手競り方式
会場に集まって行う方式です。会場正面には振り手(オークショニア)が立って競売を進行します。
買い手が金額を示す方法は声を出す、指の形で示すなど会場によってルールが異なります。
◆入札方式
一定の下見期間が設けられ、下見をした後にネットで入札する方法です。
手競りに比べてじっくりと商品を下見できるので、初心者にとって参加しやすい方式です。
◆オンライン方式
ネット上で行われる方式です。ヤフーオークションを想像していただけると分かりやすいでしょう。
世界中どこからでも参加できますし、じっくり検討することができますが、現物を直接確認できないという欠点があります。目利きにある程度の自信がついたら挑戦してみましょう。
⑤まとめ
◆古物市場に参加するには古物営業許可が必要
◆市価より安価で安定した仕入れが可能
◆在庫処分が可能
◆参加にはコストがかかる
◆取引の方法はオークション
古物市場なら安価で安定した仕入れが可能になりますし、不良在庫の処分もできます。その一方である程度の出費が必要になりますし、目利きの力が求められます。
初参加で大きな利益を出す仕入れや出品は難しいですが、続けていくうちに相場観を養うことができるでしょう。
近年ではオンライン方式が多くなっているため初心者の参加がしやすくなってきています。その一方で初心者入会を受け付けず、紹介が必要とされる古物市場もあります。そういった古物市場は上質な商品が取引されていますので、古物商の人脈を広げて紹介を受けることができれば大きなビジネスチャンスになりえます。できることなら会場に足を運んで、実際の取引に参加するのがおすすめです。
弊所では古物営業許可申請の手続き代行を行っております。警察や役所との打ち合わせから書類の提出まで代行しますので、お客様が警察や役所に出向く必要はありません。また法人設立、他の許認可申請も取り扱っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。初回相談は無料で承っております。